三津でひとり釣りデビューをしてきました 其の弐
ひとまず三津にたどりつき、釣りポイントを探していたら漁協のおじさんに話しかけられました。
「何を釣りに来たんだい?」
当たり前ですが、クーラーボックスを抱え、リュックから網が飛び出した状態でいるからいかにも釣りに来たという見た目なのですが、なんだか釣り人と認められたようでうれしかったです。
「アジを狙いに来ました」
「アジは釣れないよ。イカだったら釣れるよ」
「じゃあ、イカにしようかなー……」
「だめだめ、イカもそんなに釣れないから」
コロナという疫病が流行っているのに、なに貴様、呑気に釣りになんか来ているんだ、帰れ帰れというオーラがすごかったです(被害妄想)
確かに堤防から海面を覗いてみると、まったく魚影がありません。
何人かの釣り人に声を掛けて釣れるかどうか聞いてみましたが、全く釣れないという答えしか返ってきません。
これは本当にいないなと思いましたが、まさか釣りデビューだしここで帰るわけにはいかないと思い、とりあえず釣りをすることにしました。
最初にトイレを探すために静浦まで5キロ近い道を歩くというとんでもないタイムロスをした為に、釣りを始めてから1時間ほどで正午になり、うっかり根がかりをしてしまい、プラカゴを持っていかれてしまいました(地球にゴミを捨ててごめんなさい)
お腹が空いたのと、プラカゴをどこかで買えないかと思い、とりあえず、セブンイレブンに行きました。
まず、おにぎり、サンドイッチ、全部の棚がすっからかんでした。
同じように釣りをしていた人がみんな買って行ったのだと思います。
実は最初、三津は美味しいご飯屋がたくさんあるので、そこで昼食を取ろうと考えていたのですが、だんだん釣りの感覚を取り戻してきたところで、のんびり昼食を食べている場合じゃない!昼食を食べている時間が惜しい!という気持ちになっていました。
仕方なく、きゅうりのお漬物があったので、それを買うことにしました。
お金はあるのに、こんなものしか食べれないなんて……金はあるのに……。
もう一つ、ひとり釣りで学んだことは、絶対に昼食を持っていくことです。
私には釣りの途中でのんびり昼食を取るということは向いていないようです。
きゅうりのお漬物は、しょっぱい味がしました。
そして、プラカゴを調達しに釣具屋を探しました。
困ったときのGoogleマップ殿に釣具屋を探してもらいましたが、どういうわけか、魚料理屋の店が出てきたり、エサ用のアジしか置いていない店など、なんだかトンチンカンなことばかりが起きています。
これはだめだと思い、諦めて帰ろうかと思った矢先に、なんとさきほどのセブンイレブンの先に、看板もなく小さな民家のような建物があり、そこに手書きの少し震えた字で「アミエビあります」と書いてあるじゃありませんか!
そうです、まさかの釣具屋です。
やはり、今再度確認したところ、その釣具屋はGoogleマップ殿には書いてありません。
走ってお店に入ったところ、店いっぱいに釣り道具が所狭しと並んでおり、駄菓子屋のように細かい釣り道具が箱に仕切られていました。
まるで夢のような空間です。
お店のおばちゃんも気さくで、釣りに関して色々と話をしてくれました。
時間があれば、いつまでも居られる夢のような空間です。
次にひとり釣りで学んだことは、ネットの情報を実際行ってみると全然ちがう、という当たり前のことです。
まず、アジは5月の終わりで釣れるとネットであったのですが、たぶんその年の天候などに左右されることもあるはずなので、さきほどの漁協のおじさんのように生の情報って大事だと思いました。
あと、万能と信じていたGoogleマップ殿にない情報もあるということです。
そしてなにより、ひとり釣りならば、道具の予備をたくさん持って行くことだと思いました。
まったく、色々とトラブルばかりで、ひとり釣りに慣れている方に嗤われてしまいそうで恥ずかしい限りです。
どなたさまも素敵な夜を過ごせるようにお祈りいたしております。
では、また。